やりなおす~ボロボロの人生を1から~
"あの時"...引きこもりになって外へ...俺は部屋の扉を開けること,触れることさえ拒絶していた.

開けるのが,とても怖かった.心も体も,そして俺自身も拒んでいたのだ.

その時,扉の向こう側から父さんの声が聞こえてきた.


『霧也は今さ........やりたいとこはあるか?』


優しく,そして心配しているように呟いた..静かなtトーンが低い声は...俺に向けて言った.

「ピアス...ピアスを付けたい.右耳に...学校はしばらく行きたくない...」

震える口で,涙が溢れている顔.苦痛と悲哀の思いがつまった...俺の願い.
こんな無理な,むちゃな願いは叶わない...
もう,誰にも迷惑をこれ以上...かけたくない.

「わかった,ピアスは付けてもいい.学校は無理して行かなくてもいい...ピアスのことは,
俺が何とかする.」

なんで...いいの?
今までよりも,かなり無茶なお願いを...あんなあっさりと...

「その代わり,条件がある.これから言う条件を聞いて守れるなら...扉を開けなさい.」

扉...何度も,開けようとした扉であり今まで
拒絶反応が出て以来,1度も開けていない.
...開けよう,父さんがお願いを叶えてくれる.
俺はゆっくりと,扉を開けた.
目の前には,父さんが立っていた...

「勉強することと,最低でも高校には行くこと
そして,霧也と必要としてくれる友達を大切にしなさい.」

最後に...父さんは,優しい眼差しを俺に向けて言った.


「お前自身を大切にしなさい.この約束を守れるなら...父さんも霧也の約束を果たす」


そう言って父さんは,俺の頭を撫でて静かに階段を降りていった...
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