クリアスカイ
異変
いつかの違和感が形となって現れ始めたのは秋に入る頃だった。


日中の暑さは随分和らぎだしていた土曜の午後、修二の部屋のインターホンが鳴った。
「ま、あがれよ。」
ドアを開けた修二は須藤を招き入れた。
リビングに行くと須藤はぐるりと部屋を見回して
「結構いいとこ住んでんだな。」
と言った。
「テキトーに座っていいよ。」
修二は冷蔵庫から缶ビールをとりだし、須藤の目の前に置いた。
「昼間っから酒かよ。」
「あと水しかねーから。」
修二はキッチンカウンターに灰皿を持っていくと煙草に火をつける。
「そういや、須藤はいつ煙草やめたんだよ。」
「……だいぶ前だよ。」
須藤は仕方なしにビールを開けた。


「ところで連絡ついた?」
急に須藤が切り出した言葉の意味を修二は理解していた。
「いや、…まだ。」
首を振って答える。
須藤が今日修二の元へやってきたのは、アツシとつー君の事に関係していた。

先週から連絡がとれなくなっていたのだ。
発端は飲み会の連絡が来なかった事から始まった。仕事が忙しく曜日の感覚が狂ってしまっていた修二は金曜の帰り道それにきづいた。毎週のように恒例化していただけに何だか妙に思った。
だが、皆それぞれの暮らしがある。集まらない週があったって不自然ではない、
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