クリアスカイ
高校時代の思い出も四人で再会した今年の夏も、まるで全て夢であったかのように遠く彼方に消えていく気がした。



頭の中はまだ混乱していた。ただ疲労感や喪失感だけはハッキリ体を覆いつくしていた。
修二はおもむろにアツシに背を向けた。
気配でアツシも立ち上がったように感じた。
けれど、修二は振り向かなかった。



「アツシ………、もういいよ。」
「…………。」
アツシの声が小さく聞こえた気がしたが、修二はそのまま歩きだした。


―アツシがどんな顔をしているかなんて、もうどうでも良くなっていた。



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