ハニー*トラブル~君の彼氏はつらいよ~
ゆっくりと振り返れば、案の定ニシシと気味の悪い笑顔を浮かべる啓太がいてため息をつきたくなった。
この笑顔は、あれだ。絶対昼間の保留にしていた話を聞くつもりだ。
正直面倒だし、話すことなんてなにもないんだけどなぁ。
「んだよ、啓太のくせにあたしに話しかけんな」
「え、ちょ、なにその冷たい感じ。俺結子に話しかける資格もないんですか?」
「そーだっつーの。だから話しかけんな」
……えーと、ツジは見ての通りあまのじゃくな性格だ。
この様子じゃツジと啓太が恋人の関係になる可能性はゼロに近そうだろ。
どんまいっ、ツジ!
ただでさえ啓太には好きな子がいて結ばれるのは難しいのにな!
心底同情した目を向けていれば、ツジにこれでもかってくらい恐ろしい鬼のような形相で睨まれた
「朝陽、あんた、とりあえず顔面壁にぶつけてあらゆる場所骨折しろ」
「なにそれコワイ。とりあえず顔面壁にぶつけて骨折ってなんだよ。普通に嫌だわ」
ツジの頭はいつもグロいことでいっぱいだと思う。
考えてることが怖すぎる。