ハニー*トラブル~君の彼氏はつらいよ~


それから、次の授業が始まっても、ツジは戻ってくる気配すらなかった。


たぶん、どっかで落ち込んでるんだろうけど、俺が行くとすっげー怒るから絶対に行かない。



ツジもそんなに弱いやつじゃないし、たぶん大丈夫だから。うん。たぶんな。


あいつ、啓太に、「お前みたいな女圏外だ」って言われても一日で復活したしな。



……思い返すと、啓太って本当にクズだな。

デリカシー無さすぎる。なんて最低なやつだろうか。



俺も人のこと言えないかもしれないけど、啓太よりはマシだ。これは確かだ。絶対に。自信を持って言える。



一応、『大丈夫か?』とメッセージを送ったけど、1分もしないうちに『うざい死ね』と返事がきたので恐らく平気なのだろう。


心配している相手に送るような返事じゃないけど、ツジなりの大丈夫って意味だから、結構安心した。


軽く傷ついたけどな、うん。


いや、結構真面目に大ダメージ受けたけどな。



だって、俺心配したのに『うざい死ね』だぞ。扱いひどすぎねぇか?



それから、放課後になってやっと戻ってきたツジは元通り元気になっていた。



「あー、結子どこ行ってたんだよ」


「啓太のこと地獄に突き落とす準備してた」


「怖ぇこと言うなよ」



結子ならまじでやりかねないよなぁー。うわー、怖ぇー、とか

また余計なことを言ってツジを怒らせる啓太を冷めた目で見つめる。


こいつツジを怒らせる天才だよな。


啓太の胸ぐらを掴んで引き寄せ、そのまま啓太の腹に膝蹴りをお見舞いするツジは強い。たぶん俺より強い。

俺、ツジ相手だったら余裕で負けそうだもん


息がつまったような呻き声をあげる啓太。



言っておくが、啓太、当然の報いだぞ。


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