ハニー*トラブル~君の彼氏はつらいよ~
その光景をなんとも言えない表情を浮かべながら見つめて、啓太に合掌した。
そのまま、帰宅の準備をしていると、同じクラスのあんま目立たない男子からチョンチョンと肩をつつかれた。
なにか用件があるみたいで、慌てている様子だ。
「松本くん、城ヶ崎さんが呼んでる!!」
やや涙目で俺に用件を伝えてくる、真っ赤な顔をするそいつは、それだけを言うとさっさと帰ってしまった。
「へっ?」
遅れて返事をするも、もうそこにさっきのやつの姿はなくて、一旦思考が停止する。
教室の入り口に目を向けると、不安そうに俺をじっと見つめている城ヶ崎さんがいて、
俺は慌てて城ヶ崎さんのもとへ駆け寄った。
「ど、どーしたの!? 城ヶ崎さん!」
俺が声をかけると、少しシュン、として首を横にふる。
え? な、なんだ?
「えと、あのね? た、大したことじゃないんだけど……、美咲って呼んでほしいなぁ、とか思っちゃったりして……。」
えへへ、と、ちょっと困ったような、でも恥ずかしそうな笑顔を浮かべる城ヶ崎さん
ん゛ん!! か、かわいいっ……。
これは、全校生徒の半分以上が惚れても仕方ない気がする。
「え、あ、ごめん、呼び慣れなくて……ハハッ」
笑ってごまかす。
今の俺はまさにこの言葉の通りだ。
だっ、だって、今の笑顔はキたぞ。
俺には大きすぎるダメージだぞ。
「わたしもだよ、ふふ」
顔が熱くなっちゃう、なんて頬をおさえる仕草を見せる城ヶ崎さん……じゃ、なくてー……
美咲……ちゃん。
「あ、そうだ、なんかあったの? わざわざ俺の教室まで来て……」