ハニー*トラブル~君の彼氏はつらいよ~
もともと悪い頭をいくらつかっても、いい方法が浮かぶわけもなく、時間だけがただ過ぎていく。
俺の様子がおかしいことに気がついたのか、美咲ちゃんが声をあげて手に持っていた自分の財布を俺に見せてにこりと笑う
「朝陽くん! わたしが全部払うね!」
「え、いや、でも……」
「そのかわり、明日から時々でいいので、一緒に帰ってくれますか??」
甘えたな笑顔で言われて、ただうなずくことしかできなかった俺は、やっぱりヘタレだと思う。
結局、払わせてしまった……。
ああ、俺クズじゃねぇ? なんか、人間として終わってね?
軽く落ち込んでしまう、
……て、違う違う!!
「美咲ちゃん、」
「朝陽くんのお財布、一緒に探そう?」
店を出てさっきのことを謝ろうとしても、それを遮るように振り返って笑顔を見せてくる美咲ちゃんには、敵わないと思う。
たぶん、謝らなくていいって意味だと、思う。
まだ、美咲ちゃんのことよく知らないけど、たぶん。そうだと思う。
でも、やっぱり、謝るべきだよな。
「本当にごめん、見つかったらお金倍にして返すから!!」
「えっ! じゃ、じゃあ、探さない……!」
「なんで!?」
もしかして、俺、謝り方間違えた!?
三倍とかの方がいい!?
「だって、わたしがしたかっただけだもん、朝陽くんは気にしないで? お金なんて返さなくていいからね!」
……。なんていい子なんだ。
姉ちゃんなら間違いなく『なに言ってんだ、十倍だろ?』って言ってくるのに。