ハニー*トラブル~君の彼氏はつらいよ~
番長さんに大丈夫かと声を掛けようとしたら、急に番長さんが土下座して、俺は軽くびびった。
「この度は、城ヶ崎さん、そしてその彼氏さんにご迷惑を掛けて、本当に申し訳ございませんでした!!」
えぇ!?
今、このタイミングで謝る!?
すげぇな、この人。めちゃくちゃKYだ! KYって死語じゃないよな!? え、死語!? 死語じゃないと信じたい!
つーな、どう考えても今のは謝る空気じゃなかっただろ!
しかも、土下座って! 土下座って!!
こっちが申し訳ないわ!
なんて、つっこめるわけもなく、俺は大人しく番長さんに顔をあげてくださいとヘコヘコするだけだ。
悪かったな、ヘタレで!!
「あの、なんの、ことでしょうか……?」
焦っている俺の隣で、美咲ちゃんが小首をかしげる。
……ですよねぇっ!!
俺の財布が盗られてたって知らないもんねっ!
「俺としたことが、説明不足でしたね。実は……」
いやいや、アンタ説明不足どころか、そもそも説明しようともしてなかったからな?!
やっぱり、俺はつっこむことすらできず、番長さんが美咲ちゃんに説明をする姿をボーッと見つめていた。
「……というわけでして」
話終わった番長さんは、そりゃもうひどい顔をしていた。
話を聞き終えた美咲ちゃんは、唇を噛み締めて、目に涙をためていて
待て、なんだこの状況!!
「え!? ど、どーしたの、美咲ちゃん!」
びっくりして、俺が声をかけると美咲ちゃんが俺をまっすぐ見て、頭を深々下げる。
なんで!?
混乱してテンパる俺をよそに、美咲ちゃんが大きな声を出した。