ハニー*トラブル~君の彼氏はつらいよ~


にこにこ、泣きながら微笑む美咲ちゃんに、力なく笑う。


「えっ、と、かっこよくないよ? 俺。…ただのヘタレだし」

「ううん、朝陽くんはすごく、すごーく、かっこいいよ!」


やべぇ、二回もかっこいいって言われちゃったぜ。さすがに照れるよ!? 照れちゃうよ! 俺!


いや、もうすでに一回目で照れてたけども!



幸せオーラ全開の俺らを、番長さんがうらめしそうに見てる。

やべ、この人の存在完璧に忘れてた


「松本朝陽ぃー、この後暇だろ? ゆっくり語ろうぜ?」

「いえ、とても忙しいですね、はい」


怖ぇ……。
絶対にボコボコにされるじゃん!


「嘘つくなよ、ほら、飯でも食いに行こうぜ」

「遠慮させていただきます!」


こんな怖い人と飯とか冗談じゃねーし!!


しつこく俺を誘う番長さんから逃げようと、美咲ちゃんの手首をつかむ。


「へ!?」

「誠に申し訳ありませんが、俺はこれから美咲ちゃんを家まで送るという使命があるのでここで失礼いたします!!」

「あ、あ、あああ朝陽くん!?」


テンパってる美咲ちゃんに心の底で土下座しながら、くるっと番長さんに背を向けて校舎をあとにした。


「待てゴルァァァア!!」

「ひぃっ!?」


番長さんの声に、思わず悲鳴をあげた。
いやいやいや! 変貌しすぎじゃねぇ!? あの人!!


「ごめんね、美咲ちゃん!! とまってあげたいのは山々なんだけど俺とまったら死ぬ気がするんだ!!」

「ううん、と、とりあえず、まだ、へー、きっ……!」


うん、全く平気じゃないよね!


番長さんは上履きのまま俺たちを追いかけてきていて。

怖い!



見つからないように、適当な路地裏に入ると、立ち止まる。


「ご、ごめんね、大丈夫!?」

「だ、いじょー、ぶっ……」


美咲ちゃんの息が整うまでどうしたらいいかわからずに立ち止まっていると、落ち着いた美咲ちゃんが、少し笑って俺を見上げた。


「朝陽くん、手、繋いじゃったね」


その頬は、さっき走ったせいか赤く上気していて、きゅうっ、と強く胸が締め付けられたような気がした



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