残業しないで帰りなさい!
翌週、やって来たアルバイトさんは小柄で可愛い二十歳の女の子だった。
「金子です。よろしくお願いしまーす」
ちょっと飄々とした雰囲気の子だなあ。
事前にみんなで話をして、アルバイトさんにはサンプルの封入とか資料の折込とか、そういう単純作業をお願いしようということに決めていた。
そして、それを教えるのはなぜか私の仕事、ということになってしまった。
みなさん、最初の後輩なんだから頑張んなって言ってくれたけど、なんとなく押し付けられた感じもする……。
教えるなんて、自信ないなあ。でも、封入なんて簡単な作業だし、誰でもできるから大丈夫だと思うけど。
席は北見さんの席が空いているから、そこに座ってもらうことになった。
「青山です。金子さんのお仕事を担当させてもらいますので、よろしくお願いします」
「あ、よろしくお願いしまーす」
近くで見ても、まつ毛が長くてピンクの頬紅が可愛らしい女の子。
私が教えるなんてドキドキするな。きっと金子さんより私の方が緊張してると思う。
「今日は、このサンプルを組み合わせて封入する作業をお願いしてもいいですか」
「はーい」
サンプルの封入は、受け取った人が見やすいように入れなければいけない。
「大きい物が後ろに来るように順に入れて、向きは必ず揃えてください。それをこの透明なビニールに入れてテープで止めたものを袋に入れます」
入れる順番とか向きを説明したけど、金子さんは今一つな顔をしていたから、見本を一つ作って「これと同じように組んでください」と机に置いた。