この空の下でめぐり会う奇跡


中へと案内されて入ると
見覚えのある顔が座っていた。


心臓が止まるかと思うほどびっくりして
持っていた鞄を落としそうになる。


「えっ?新しい人?」


「あっ…紹介するね
先月から森さんの代わりに来てもらってる
新垣さんよ」


やっぱり・・・美空だ。


オレのこと思い出したかな?
怖さがオレの心を押し寄せてくる。


「どこかで会ったっけ?」


思わず聞いてしまったオレ。


「いいえ 会ってないですねぇ~」


「プッ 石川さん それは古いよ~
どこかで会いましたっけ?なんて
昔のナンパじゃん・・・ハハハ
新垣さんって言ったかな?
下の名前は何?」


「美空です ヨロシクお願いします」


ペコッと頭を下げる。


「美空ちゃんかぁ~
フフフまた楽しみが増えたぞ!」


今のオレ…血の気のない顔をしてると思う
こんなところで再会するなんて…。



そして いまだにオレのこと
覚えていない。


自己紹介しても ホントに
初めて会ったかのようだ。



< 62 / 204 >

この作品をシェア

pagetop