コンプレックスさえも愛されて。


「仕事の話じゃないんだ…ビックリさせて悪かったな…」
「あ、いえ…勘違いして…すいません…」
「あのな沙耶香………うちの会社の社則の事は沙耶香も知ってると思うんだけど……俺、沙耶香が好きなんだよ。前に…電話で話して気になってた、って言ったけど…実はあの頃からずっと、沙耶香の事好きだったんだと思う」
「え?…あの……」
「顔も知らない相手なのに、嫌な事あっても、上手く行かない事あっても、いつでも明るく話してくれる沙耶香に励まされてたんだよ。メールですむのにわざと電話した事もあった。どんな子なんだろう?って何度も考えて…こっち戻って来て沙耶香見て……実は俺、すげぇテンション上がって…」
「彬さん?」
「あ、いや……沙耶香がすっげぇ俺好みだったから、な…」

照れたように言われて、そのストレートな言葉に私は真っ赤になった。
夢みたいで、信じられなくて、涙が滲んで視界が曇った。





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