○○するお話【中編つめあわせ】
何もかもが自由。生活にも困らない未来が保障されている。生贄にされる心配もない。
それなのに……カイジさんが『麗ちゃん』そう呼ぶだけで感じていたふわふわした気持ちが感じられない。
今まで……私は生贄として生まれた運命に絶望したりだとかそんな事はなかった。
けれど、それはただ単に、本当の絶望じゃなかったからじゃないかと思う。
今こそが、絶望と言うんじゃないだろうか。
『麗ちゃん』
そう呼ぶ声をなくした、今こそが――。
「麗……ちゃんと生きてね。カイのためを想うなら」
帰る直前、アキラさんが言ったけれど。何の言葉を返す事もできなかった。