○○するお話【中編つめあわせ】
きっとどこかにいるハズのカイジさんを探し回って、一ヶ月が過ぎた頃、カイジさんとアキラさんの住んでいた屋敷のお金が送られてきた。
それは、ただのたくさんの紙幣だったけれど……なぜだか私にはすべての終わりを示す塊に見えた。
『麗ちゃん、これで終わりにしろ』
カイジさんのそんな声が聞こえた気がして。私は、黒くて重たいマントを抱き締めてただひたすらに泣いた。多分、声もあげて泣いた。
周りなんて気にしないで、まるで、こどもみたいに感情を溢れさせて。
だけど、そのうちに不意にアキラさんの言葉が浮かんできて。
『多分、カイは麗を笑わせたかったのに。嬉しいとか、楽しいとか、そういうのを思い出させてあげたくていたくせに。
カイのせいで泣かせるなんて』
違う、と思い、ぐっと涙を拭いた。
私はカイジさんに悲しみだけを教えてもらったわけじゃない。もっとたくさんの嬉しさや楽しさを教えられた。
アキラさんが底光りする瞳で私を見た時、死にたくないと思って恐怖を感じるくらいに……カイジさんとの日常を失いたくないくらい、幸せだと思っていた。
私は、幸せだった。カイジさんがいてくれて、カイジさんが教えてくれたから……幸せだったんだ。
だから……。
ちゃんと、生きないと。泣かないで、ちゃんと。