○○するお話【中編つめあわせ】
凛は、何も言わずに頷いたけど……本当は、ちゃんと言って欲しかったのか?
言いたかった? 俺と付き合ってるって。ただの幼なじみじゃないって……そう、言いたかった?
でも……だから、アドレス変えたのか?
だから、あんなメモ残したのか……?
だから……俺にこんな女押し付けてんのか?
別れたと思って?
俺が、自分の事ばっかだったから、別れんの?
――俺が何も言ってねーのに?
「なんだよ……それ」
「あ、それよりさ、東条さん今出張行ってんだって? 京都に」
呆然としていると「なぁ、国見?」って呼ばれて、意識を強引に戻される。
「え……ああ、出張な。そうだけど……おまえ、よく知ってんな。課違うのに」
俺でさえ、おばさんに言われて知ったっつーのに、と眉を寄せながら聞くと、林が苦笑いを浮かべた。
「だって今その噂で持ちきりじゃん。社長が東条さん連れて行ったのは、提携結んでる会社の社長息子に会わせるためだって」
「……は?」
顔をしかめたままそれだけ漏らした俺に、林が続ける。