○○するお話【中編つめあわせ】
「じゃあもう……喫煙室、行かないの?」
あのガラスの向こう側に。
「ああ。用もねーし。休憩したい時はコーヒーでも飲むし」
「カフェスペースで……?!」
「ん? あー、そうだな。六階だっけ。カフェスペースあんのって」
「あのね、まだ正式には決まってないんだけどね。
今度、営業部と庶務課の間にカフェスペースできるんだよ」
「へー、そうなんだ」
京都への出張中、お父さんに話したから。
喫煙室があるのに、煙草吸わない人に休憩スペースがないのはおかしいって。
確かにって共感してくれたお父さんは、わずかなスペースでも、全部のフロアにカフェスペース作ろうかって言ってくれて。
「だからね、たまには、一緒に休憩してもいい?」って聞いた私に。
恭くんは「当たり前だろ」って笑顔で言った。