二度目の恋の、始め方
途中何度も転びそうになって、葉山壱樹クンに抗議しても、彼の歩くスピードは一向に変わらない。本当、なんて自由な人だろう。
「あの!葉山くん、待って!」
「ぶほっ」
そんな時、突然前方から現れた人物によって行く手を阻まれたらしい葉山壱樹クンの背中に、私は顔面を強打した。
「……いたっ、……」
オデコをさすりながら背の高い葉山壱樹クンの後ろから前を覗き込むと、ソコに仁王立ちしているのは同じクラスの眼鏡女子。
あ、この間ラブレターを渡した子だ。
「見て分かんない?今、取り込み中」
「ごめんなさい。でもあの、手紙の返事、貰おうと思って」
「手紙?ああ、あれ……」
葉山壱樹クンの表情は私からは見えない。でもさっきよりトーンの低い声なのは確かで、目の前の顔を真っ赤にさせた眼鏡女子が葉山壱樹クンに何を言われるのか、想像しただけでコワくなる。
「葉山くん、入学式の日に新入生代表のスピーチしてたよね。その時からずっと好きだったの。付き合って、くれるかな?」
「付き合う?誰と誰が?」
「だから私と葉山くんが……」
「あんた、自分の顔見てモノ言ってんの?」
…………ホラ。そうゆ~人らしいもん。