二度目の恋の、始め方
「……え、顔……?」
目をパチクリさせて、訳が分からないといった表情の眼鏡女子。あからさまに大きな溜め息をついた葉山クンは言葉を続ける。
「その顔で俺に釣り合うとでも思ってるの?あんたみたいな、したたかそうな女って、意外と身の程を知らないんだよね」
「ひ、!酷いよ、葉山く……」
「これでも一応、言葉選んで喋ってるんだけど。それともまだ言われ足りないの?」
「……っ!」
こんなの、あまりにもヒドすぎるよ。
眼鏡女子は瞳一杯に涙を溜めて、葉山クンの真横を通り過ぎる。途中、奴に腕を掴まれている私を見て、眼孔鋭く睨まれて。
「協力してくれるって言ったのに嘘つき!川嶋さんなんて大嫌いよ!」
「……えっ、」
そのまま走り去ってしまった眼鏡女子。覚えのない暴言を浴びせられて呆然としていると、原因を作った張本人は至って普通に。
「大嫌いだって。俺の凛になんてこと言うの、あいつ」
そんな小言を言うもんだから、掴まれた腕を振りほどいて、持っていたバナナオレのパックを葉山クンに押し付けた。