二度目の恋の、始め方
あのSクラスの理玖ちゃんがきょんを抱きしめてるせいで、周りの女子から悲鳴が物凄い。それを軽くあしらいながらきょんの耳もとで「どうするの」って妖艶に囁く悪魔さん。
「凛、どうしよう。私、夢見てるみたい」
「きょん、あのね、理玖ちゃんは……」
「お願い。しばらく見守って?理玖のこともっと知りたいの」
「そんなぁ……」
「じゃあ決まりってことで~。杏子ちゃん、放課後はデートする代わりに俺に美味しいものた~くさん奢ってね~」
「理玖ちゃん!」
「りんりん顔怖いよ。じゃ~ね~」
満足そうに可愛らしい笑顔を浮かべた理玖はきょんの体を解放すると、手をヒラヒラふりながら教室を出て行く。そんな理玖の後ろ姿を目をハートマークにして見つめているきょんはもう、重傷かもしれない。
よりによって、私の友達を誑かすなんて。
「理玖ちゃん、待ってよ!」
「しつこいよ~。何?」
ちょうど階段を降りようとしている理玖を後ろから呼び止めると、困ったように黒髪を掻いて、そばの壁に寄りかかる。