二度目の恋の、始め方
「どういうつもりできょんと付き合うの?きょんは、理玖ちゃんが今まで付き合ってきた女の子達とは違うんだよ」
「違うって?」
「だから、っ」
理玖ちゃんの鋭い視線に、喉の奥まで出ていた言葉を呑み込む。好きな人が出来たら周りが見えなくなるくらい彼に尽くすタイプだと、きょんが前に言ってたのを覚えていたから尚更、理玖ちゃんは危険過ぎるのに。
「別に俺は、どの女の子にも無理強いはしてないよ~。ただ好きでもないのに付き合ってあげるんだから、それなりの誠意は見せて欲しいな~って思ってるだけ~」
「その誠意がお金なんだよね?」
「金以外、他に何かある?」
「……愛情とか」
「愛情は形に残んないでしょ~。それに俺って、目に見えるモノ以外は信じないタチだから。心配しなくても、杏子ちゃんは飽きたらすぐに解放してあげるよ」
「飽きたらって、そんな簡単に……。
いくら理玖ちゃんでも、きょんを傷つけたら絶対許さないよ。分かってる?」
「りんりん怖~い」
「本気だもん、っ!」
怖がってる素振りも見せずに、相変わらずの笑顔で階段を降りて行く理玖ちゃん。放課後、楽しそうに肩を並べて門を出て行くきょんの幸せそうな笑顔を見て、私はそれ以上何も言うことが出来なかった。