キミだから・・・
そうこう考えているうちに、いつも彼氏と待ち合わせている自分の教室が見えてきた。
教室の前の廊下に人影がひとつある。
あれは.........
「 ......空?」
教室の前に立っていたのは私の彼氏の
如月 空 (きさらぎ そら)だった。
空が私の初恋で、告白は私から。
空とは、中学1年の入学式に私が一目惚れして、日愛に背中を押されて、中学1年の夏に告白。
答えはOKだった。
空は大地くんと同じサッカー部に入っていて、サッカーも上手で、頭もよく、なにより誰にだって優しい。
みんなより大人っぽい性格だから、女子に告白されることもたくさんある。
「......ん?...有紗か...」
空は、私に気がつくと、読んでいた本を閉じ、鞄に閉まった。
「空、なんでこんなとこにいるの?」
「あー...なんか、僕と同じクラスの森下さん?が......大地に用があるって...
多分、告白だろうね?だから、僕は邪魔だからね......」
「そっか......」
空とこんな会話をしていると、
ガラッといきおいよく教室のドアが開いた。
私と空が振り向くと、泣きながら廊下を走っていく森下さんの姿。