陽向のひなたぼっこ
その日、学校が休みだった私は朝は少しゆっくり寝て、両親とボーッとテレビを見たり妹と一緒にゲームをしたりしていた。
11時をまわった頃、突然我が家のチャイムが鳴り、玄関へ向かった私と母親はそのお客さんに、いや、お客さんの手に抱かれたものに驚いた。

手の平より小さい猫が2匹いた。

お客さんというのは小学生時代に私の仲の良かった男の子のお母さんで、話によると男の子のサッカーの練習中、小学校のグラウンドに突然子猫が現れたんだとか。

話を聞きつつ子猫の状態を見てもう一つ驚いたのは、その子猫の2匹ともが衰弱していて体はビチャビチャに濡れて、目ヤニは酷く、鼻もグジュグジュだった事。

「父さん!手伝って!」

私は声を張り上げて父親を呼び、男の子のお母さんから子猫を引き取り洗面所へと急いだ。
その時に子猫が私の手の平でガタガタと震えていた感覚は今もハッキリ覚えている。
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