クールな先輩の心を奪う方法
大地が抱き合っていた相手は、まさかの梓。

…梓の片思いの相手は、大地だったのか??
…いや、待て。

美雨と大地が付き合っている事は知ってる筈だろ?
美雨と、梓は親友なんだから。

混乱する頭の中。オレが取った行動は。


「ちょ、ちょっと、離してください!」
「・・・」

腕を引っ張られ、痛がる梓。
離せと言われても、色んな事に腹が立ち過ぎて、聞く耳はあいにく持ち合わせていなかった。

「もう!いい加減にしてください!」

誰もいない廊下で梓が怒鳴った。
そこでオレはようやく足を止め振り返った。


「・・・」
オレの顔を見た梓は驚いている。
明らかに怒った顔のオレを見ての事だ。

・・・その理由が理解できないと言った顔、だな。

「何で、保田さんと抱き合ってた?」
「…成り行きです」

「…成り行きで抱き合ったりすんのか?お前は?」
「?!安藤さんに関係ないじゃないですか!」

カチンときたのか、梓はオレに言いかえしてきた。

「…お前の片思いの奴って、保田さん、だったのか?」

「・・・は??」

オレの言葉に、梓は怪訝な顔をした。
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