光り輝く命~救ってくれたのは君だった~
第2章 ぬくもり

○線香花火○

夏休みはとにかく暇だった。

隼人は部活。

そして友達はみんな塾。

百合に至っては沖縄旅行。

それに比べ、あたしは毎日家でゴロゴロ。

セミの鳴き声と父の小言が耳障りだった。

一樹は結婚して、

隣町で希美さんと暮らしている。

あまり会う機会がない。

なんだか寂しい……。

そんなとき電話が鳴った。

ディスプレイには隼人の文字。

あたしは急いで電話に出た。

「もしもし?」

「夏菜、寝てたろ?」

図星。

「寝てないし」

「ふ〜ん。ところで今晩暇?」

「うん。暇だけど」

「んじゃ、とりあえず夜8時に

迎に行くから!」

電話は切れた。

「勝手なんだから」
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