Treasure
「――合! 
 百合、百合!!」

「うえっ!?」


何を見ていたのだろうか。
目の前に居たのは綾女の顔だった。

呆れた顔をして、綾女は言う。


「何なん、今から吐くん? 
 ”うえっ”って」

「ちゃうし! 
 で? 何?」

「うわ~開き直った」

「うっさいな」

「…なぁ百合、百合なったら? 
 学・級・委・員♪」


…コイツ正気か?
昨日告白してきたやつと、気まずいのになれってか?

綾女は、あたしと同じく刹那なんかに興味はない。
綾女は面白半分であたしをからかう。


「はぁ!? ありえへん! 
 絶対終わるしそんなん」


アイツと一緒なんて、ほんま無理。
もともと学級委員なんて、キャラじゃない。
勝手にしてくれ。

あたしがなった瞬間に、綾女、

 あんたを恨むぞ。


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