Treasure
はてなマークを頭の上につけているあたしをよそに、刹那は思い出したように言った。


「遠野、俺昨日の返事ほしいねんけど」


…はて?
昨日の返事て何やったっけ?

――ああ!
告白か!
そういやあたし、刹那に告られとったな。

今の関係を壊すことになるかも知れん。
けどあたしは刹那を恋愛対象に見られへん。
そのことをしっかり伝えなあかん。


「…ごめん。あたし刹那好きやけど、それは友達としてやねん。付き合うとかは考えられへん…ごめん」

「…………」


黙り込む刹那。
表情は下を向いてて分からないけど、残念そうに見える。

…やっぱり、今みたいには戻られんのかな…。

そう思っていたあたしだったが、刹那の返事は予想外の言葉だった。




「えーよ!」



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