麗雪神話~麗雪の夜の出会い~
「俺って銀の…なんだっけ、ええっと、神人? だったんだね。
それにしてもセレイア、そんな夢を見ていたなら言ってくれればいいのに…」
神殿では食事の後、皆で片付けをしてから、それぞれの職場へと散っていく習慣がある。ディセルはセレイアの洗い物を興味津々で眺めた後、セレイアと共に彼女の次の仕事場である“予言の間”へ向かって歩いていた。
時刻はもうすぐ陽明時(7時)。
二人の左手に広がる温室の中庭には色とりどりの花が咲き乱れ、まるで春を迎えたような光景だ。
雪景色もいいが花もいいな、などとディセルが考えを少々脱線させていると、思わぬ返事が来た。
「だってあれは今朝思いついたことだもの」
考えが脱線していたせいもあり、しばし意味を取るのに時間がかかった。
「えっ!?」
「嘘なの、ごめんね。
だってああでも言わないと、ディセルに神殿の中を自由に見てもらえないもの。今こうして一緒にもいられないし。だからこのことは二人だけの秘密にしてくれると助かるわ」
「わ…わかった。でもセレイア、神人でもないなら、そうまでしてどうして俺にそんなに親切に―」
「セレイア様―――――っ!!」
ディセルの声は元気な高い声にさえぎられた。
それにしてもセレイア、そんな夢を見ていたなら言ってくれればいいのに…」
神殿では食事の後、皆で片付けをしてから、それぞれの職場へと散っていく習慣がある。ディセルはセレイアの洗い物を興味津々で眺めた後、セレイアと共に彼女の次の仕事場である“予言の間”へ向かって歩いていた。
時刻はもうすぐ陽明時(7時)。
二人の左手に広がる温室の中庭には色とりどりの花が咲き乱れ、まるで春を迎えたような光景だ。
雪景色もいいが花もいいな、などとディセルが考えを少々脱線させていると、思わぬ返事が来た。
「だってあれは今朝思いついたことだもの」
考えが脱線していたせいもあり、しばし意味を取るのに時間がかかった。
「えっ!?」
「嘘なの、ごめんね。
だってああでも言わないと、ディセルに神殿の中を自由に見てもらえないもの。今こうして一緒にもいられないし。だからこのことは二人だけの秘密にしてくれると助かるわ」
「わ…わかった。でもセレイア、神人でもないなら、そうまでしてどうして俺にそんなに親切に―」
「セレイア様―――――っ!!」
ディセルの声は元気な高い声にさえぎられた。