WHY
どうしてということでもなく、何かをしてもらいたいというわけじゃなかった。ただ話を聞いてもらいたかっただけと、話を切り出した。

 「分かった。じゃあ、相談には乗る。でも解決するのは自分の役目だな。つぶれそうになったら必ず助けるから、その時はいってくれよ。」

大変心強かった。今、付き合っている彼氏も居ないし、味方と思える友人、知人はいなかったし。ありがとうの言葉が体全体に染み渡り、嬉しい感情に久々になった。

 先生とはそこで、席をたった。木漏れ日からもれる強い日差しは自分へのこれから、厳しい試練が待っているかのようにふり注ぐ。あと1年間…このあと1年がどれだけ苦痛をもたらすか、今となればその時には知る由もない。
 明るい光には、必ず真っ暗な闇がある。闇の中で強く生きる雑草もいる。明るい世界で華やかに生きる人もいる。その人でも心に暗い影が必ずあるに違いない…
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