夢道
他人の思い出とは
思っていないような、
そんな表情だった。
私はノイさんの手の上に、
手を重ねた。
「大切な人を守りたい…
何もしようとしてなかった
あの時の俺には
贅沢すぎた悩みだったのかな……。」
コウさんの話し方は、
思い出しているような
話し方ではなかった。
自分を戒めているかのような、
そんな話し方だった。
「俺は大切な人を守れなかった…
俺のもとから去っていくあいつの手を
握りしめてやることができなかった……。」
コウさんの手に、
力がこもっていた。
大きな後悔をしているんだ。
そう感じずには、
いられなかった。
昼間の明るく振舞う姿が、
嘘のように思えた。