秘密の私と、秘密の彼。【更新中】
───ピロン
新着メールを受信した音だ。
私は歩きながらメールを開く。
【ふーん。ま、事情があってやってるんだよな。
仕方ないから、今度どっか出かけるってことで許してしてやるけど?】
「はっ?!」
思わずメールを見て声が出てしまった。
今度どっか出かける?
・・・浬と、一緒に?!
しかもすごい上から目線なんですけど・・・。
学校のときはもう少し優しかったのになぁ。
たまーに、浬って俺様キャラになるよね。
私上手いこと流されてるし。
まぁ秘密握られてるから、仕方ないか。
【そう。だからホステスだけはやめれないの。
あーうん、いいよ】
・・・我ながら可愛げのないメールだな~と思う。
本当は浬と出かけれることがすごく嬉しいのに。
秘密を口外されないためだとしても、すごくすごく嬉しいのに。
だって、もし秘密を知られていなかったら、浬と出かけれることなんて絶対になかった。
そう考えると浬に秘密を知られて良かった、なんて思ってしまう。
馬鹿だなあ、私。
もし周りにバレたら大変なことになるのに。
なんて自分を嘲笑いながら、返信を送る。