秘密の私と、秘密の彼。【更新中】



メールの送信が完了してスマホの画面に表示された『園田くん』という文字を、なんとなく指でなぞった。



園田くん、じゃなくて。


浬、だよね。



そう思って、『園田くん』と登録されたアドレスを『浬』に変えた。

そんな些細なことに頬は緩む。




「あれ、チエちゃん。今日はご機嫌なんだね」



クラブに着いた途端、代表の山崎さんが声をかけてきた。


そんなに顔ニヤけてるのかな?



「まぁ、ハイ」


「そっかそっか~、じゃあ今日も頑張ってね~」




柔らかい口調で言い残し、山崎さんは店の奥に入っていった。

あんなふわふわした優しいお兄さんがクラブの代表だなんて信じられない。




半年前、私にホステスをしないかと提案してきたのは山崎さんだった。



最初はホステスなんてろくなことが無さそうだなって思ったし、ちょっと怖かったし、後ろめたさもあって断ろうと思った。



でも山崎さんは自分の店の安全性を優しく教えてくれて、初対面なのにその言葉に全然不安を感じなかった。


だから私はホステスを始めた。


山崎さんの言うとおりホステスを始めてから多少変な客はいたけれど、
それといった嫌な出来事は何もなく、なおかつたくさんお金を稼げるようになったから私はホステスになったことを後悔していない。



出来れば早く就職して、夜の世界から抜け出したいけどね。




「チエちゃん、準備お願いします~」


「あ、はーい!」



私は店の控え室でメイクを急いで済まし、今日もいつものように仕事を始めた。







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