本気の恋をしようじゃないか《加筆修正版》
私の事を憶えていない様子に腹が立つが思い出してほしくない
なんともわがままな考えだ。
だけど目も合わせようとしないあのあからさまな美和狙いな態度に少なからず
苛立ちを感じた。
私は美和と違って美人でもないし、魅力もないけど小牧君の態度があまりにも露骨で、正直席に戻りたくなかった。

だけどこのまま先に帰ったら絶対に美和は心配するし理由を聞くだろう。
でも今は絶対に言えない。
あの黒歴史を美和に知られたくないからだ。

ただでさえ地味で暗い顔なのに今、鏡に写ってる顔はかなりひどい顔だった。
感情が顔にもろあらわれていて嫌な顔だ。
でも、いつまでも自分とにらめっこしても何も変わらない。
「あと30分したら帰るって美和に言えばいいよね」
そう言葉に出してお手洗いから出た。
だが、お手洗いから出た所で一番会いたくない男がそこにいた。
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