君と春を
「なんでしょうか、社長。」
こいつは俺の5つ上の兄だ。HARUSEの、会長である父の次に全ての権利を持つ。
「………お前から言え。状況は?」
割と理解はある。
美月のことも知っている。パーティに俺を行かせたくらいだからな。
『本気になったんならちゃんとHARUSEに相応しい女に仕立てて迎えてやれ』
以前そう言われた時は驚いた。
「…美月はまだ起きない。体力も落ちてきてるし、毎日側で呼びかける必要がある。それに…」
「お前が側にいたいんだろ?……なんとかしてやりたいが俺にはな。」
『守ってやれよ』
そう言われ、社長室を出る。
外はもう夕闇だった。
…………美月に会いたい。