君と春を



………ここはどこ?


………優也?何を……!?


真っ暗闇。なのに、わかる。

括り付けられた両手。脚を這う『誰か』の手と、胸元をぬるりと舐め回す舌の感触。

「美月、愛してる。」

落とされる囁きは私の心を泥水のように汚く染め上げて、その色はきっと生涯拭えない。

………やめて!優也!


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………また、暗闇だ。

………感じる………これは、病院?

ーキィー

開けられた扉の先。焦げた匂い。3つのベッド。

………あれは………

一枚の布を捲ろうと手がかかる。

見ちゃダメ…っ、ダメ!

……っ!!!



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