君と春を
はやる気持ちのまま足が自然に駆け出す。
美月は絶対に俺が幸せにする。
何度も開けた扉を開け、ベッドの横に腰掛ける。
「……美月……ごめん。遅くなった。」
眠り続ける手を取り、体温が低いことに気づく。
「…冷たいな…。」
出会った頃より数段色が抜けてしまったような顔。手は細く頼りなく、肌には艶がない。
起こしてやれない不甲斐なさで自分を殴ってやりたくなる衝動を抑えこみ、
顔を近づけて耳元で囁くように伝える。
「なぁ、聞こえてるか?
お前の心は何処にいるんだよ。
教えてくれよ………
どんなお前でも受け止めるから。
もう苦しまなくていいから。
………美月。
好きだよ、美月。
俺に、お前を守るチャンスをくれよ…」
ありったけの想いを込める。
涙が……零れてしまう。
唇を親指でなぞり、そっと……
くちづけた。
想いが届くように…………
願いが叶うように…………