君と春を
その後携帯も変え、冬休み中は親戚の家に身を寄せた。おかげで受験生だというのに希望の塾へ行けなくなったことも大きな痛手だった。
そして私の知らない間に担任の先生とともに優也の親と話をしに行ってくれた両親。
『子供のお遊びの色恋など知らない。姉の結婚式がやっと終わった所だ。おかしな影響が出たら困るからそんなことで騒ぐな』
そう追い返されたらしいけれど、私のために懸命に動いてくれることが嬉しかった。
新学期は常に誰かに送り迎えをしてもらい、校内ではいつも茉莉と一緒にいるようにした。
バレないように先生の協力を得てギリギリで志望校も変えた。
全寮制の女子校。
父が探してくれたその高校は私を守る砦のように思えた。
卒業までの数ヶ月、私はそうやって優也から遠ざかっていった。