君と春を



美月は……

私の妊娠を、まるで自分のことのように喜んでくれた。

優しい夫と結婚して、さぁ幸せにと思った矢先、起きた事件。

何の因果か美月の主治医を任され、味わった加害者の家族としての重さと苦しみ。

あの子の癒えるはずのないキズを、抱え続ける痛みを、凍ってしまった心を……

なんとかしてあげたくても、私にはその力も…その権利さえも持っていなかった。

ただ寄り添うしかできなかった。



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