ヒカリ
「えーっと、次はギターの泉水がどうしてもやりたい、って言ったモンゴリアンチョッパーズっていうやつらのコピー。」


曲が終わって、輝真くんが荒い息で話し出した。


「泉水、好きな女がいて、その人のために、練習したらしいよ。」

私は柱の陰でじっと聞いていた。

輝真くんの言葉に、観客たちから「おーっ!!」と歓声が上がった。
合間に女の子たちの落胆した声も聞こえてくる。


「ジンジャーエール。」


輝真くんの言葉に、思わず柱から顔を出した。

ジンジャーエール、
私が一番好きな曲。


演奏が始まる。
泉水がギターを弾く。
楽しそうに、笑って。




その時、泉水が私を見た。


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