男装騎士~あなたの笑顔護ります~
この国を救ったのは紛れもなくユキなのだと。
そのユキを王族として迎え入れることは、国民だって納得するはずだと。
そして、誰よりも王としてではなく自分自身を想い、自分が大切にしている国を想ってくれているユキこそが、王妃にはふさわしい。
そう、こんこんと説明したらしい。
その場にいたグレンが嬉しそうに話してくれた。
でも、いまいち実感がわかないのだ。
私が王妃として護られる側になるとか。
お姫様とか、ガラじゃないし。
こうして剣を振っている方が、しっくりとくる。
「私、おしとやかとか・・・無縁なんだけど」
「ま、そんな王妃でも新しくていいんじゃない?」
フランはそういうけど、実際はそうはいかないんだろうな。
公の場に出ることだって増えるんだろうし。
そうなれば、レオに恥をかかせるわけにはいかないし。
ああ、前途多難。