さちこのどんぐり
そんな深夜の電話で、睡眠が損なわれたことも加わわって
大森のストレスは増していた。

「この先、奈津美と上手く、やっていけるんだろうか?」

大森は悩んでいた。




夕方5時を少しまわったころ、奈津美から

「昨日はごめんなさい。今日はかーたんの好きなハンバーグ作って待ってるね」
というメールが来た。

奈津美に対する対応に迷っていた大森は

「今日は遅くなるかもしれない」と返信したが、

「待ってるから。お仕事がんばってね」というメールが奈津美から帰ってきた。




夜になり、仕事が終わっても、気持ちの整理がつかない大森は
部屋に帰ることを躊躇っていた。

奈津美を好きだと思う気持ちと、
その反面、彼女に生活のリズムを乱されている不快感の間で、

今夜、奈津美に会って、どう接したらいいかが分からない。

もし、昨夜の電話について、奈津美が同じ話題を再び蒸し返してきたら、
どう答えたらいいんだろうか?



帰れない部屋の近くで悩む大森の頭上では
今夜もたくさんの星と半分の月が輝いていた。



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