いつだって、ヒーロー。



「…んだよ」


ああ、この態度黒田と似てる気がする。


『宮城くん!夏祭り一緒に行こう!』


コイツ殴られたいの?
タイミング悪すぎじゃねえか?


「無理。お前と行くほど暇してない」


即答。
俺にはそんな時間はない。
なんで好きじゃねえ女と夏祭りに行かなきゃなんねえんだよ。


『なんで?』


「お前と行く必要ないから」


コイツの度胸だけは認める。

だって俺がいずのこと好きだって知ってて近づいてくるから。


『夏祭りくらいいいじゃん!』


「むーり」


何回言えばわかるんだよ!

ムキになる田渕に半ば呆れ気味の俺。


『…るから』


「ん?」


ボソボソと何かが聞こえた。


『夏祭り…行ってくれたら諦めるから。だから、夏祭りくらいいいじゃん…』


正直ここまで積極的な女は初めて。
俺のどこにそんな魅力を感じたのかはこれっぽっちも理解できないけど。

はあ…とため息をつく。


「本当だな?絶対だぞ?」


夏祭りに行ってそれで終わってくれんなら仕方ないよな。


『う…うん!絶対!絶対だから!』


「あーもーわかった。行きゃ諦めんだろ?7時に改札な?」


『うんっ!!じゃあね!!』


ころころテンションが変わるやつだな。

まあ、これで田渕から解放されるんなら苦じゃないか。


田渕と夏祭り行って…………



いずを探し出すか…………。



ごめんな、田渕。

最低なことしてるかもしれないけど、やっぱり心配なんだ。





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