強引社長の甘い罠
小さな叫び声を上げたが、私の体は拘束されたまま、隣からは再び規則正しい寝息が聞こえてくる。
私のお腹あたりにはたくましい腕が絡みついていた。背中があたたかい……いや、暑い。エアコンが効いてはいるが、ぴたりと密着した体はもう既に汗ばみはじめている。
そろりと体を回転させた。目の前には少し日に焼けた裸の胸が穏やかに上下している。目線を上げていくと、セクシーな喉仏、続いて少し髭の伸びた顎が見えた。
胸が締め付けられるほどの幸福感に頭がくらくらする。こんな感情は久し振りだ。
彼の裸の胸に鼻を押し付けた。勢いよく息を吸う。ああ、この匂い。懐かしくて、恋しかったこの匂い。祥吾の匂い。
頭上でクスリと笑う声がした。優しい低音が響く。
「何をやってるんだ」
「別に、何も……」
まさか祥吾が起きているとは思わなかった。てっきり眠っているのだと思ってやっていたことを見られていたと思うと、とても恥ずかしい。私はますます祥吾に身を寄せると、赤くなっているであろう顔を隠すように彼の胸に額を擦りつけた。
体を下にずらした祥吾はベッドの上で横たわったまま、私と目線を合わせると、面白そうに私の瞳を覗き込んでくる。
「あんまり可愛いことをすると、起きられなくなるぞ。夕べは理性を総動員させて耐えたが、元気な君を前にそんなことをする必要はないからな」
祥吾が左肘をついて上半身だけ起こした。私を見下ろす格好になる。掛けてあった薄い夏用の布団がずり落ちて、彼の鍛えられた上半身がすっかり顕わになった。私は思わずゴクリと唾を飲み込んでしまった。でも、良かった。彼が、その……下を履いていて。
私のお腹あたりにはたくましい腕が絡みついていた。背中があたたかい……いや、暑い。エアコンが効いてはいるが、ぴたりと密着した体はもう既に汗ばみはじめている。
そろりと体を回転させた。目の前には少し日に焼けた裸の胸が穏やかに上下している。目線を上げていくと、セクシーな喉仏、続いて少し髭の伸びた顎が見えた。
胸が締め付けられるほどの幸福感に頭がくらくらする。こんな感情は久し振りだ。
彼の裸の胸に鼻を押し付けた。勢いよく息を吸う。ああ、この匂い。懐かしくて、恋しかったこの匂い。祥吾の匂い。
頭上でクスリと笑う声がした。優しい低音が響く。
「何をやってるんだ」
「別に、何も……」
まさか祥吾が起きているとは思わなかった。てっきり眠っているのだと思ってやっていたことを見られていたと思うと、とても恥ずかしい。私はますます祥吾に身を寄せると、赤くなっているであろう顔を隠すように彼の胸に額を擦りつけた。
体を下にずらした祥吾はベッドの上で横たわったまま、私と目線を合わせると、面白そうに私の瞳を覗き込んでくる。
「あんまり可愛いことをすると、起きられなくなるぞ。夕べは理性を総動員させて耐えたが、元気な君を前にそんなことをする必要はないからな」
祥吾が左肘をついて上半身だけ起こした。私を見下ろす格好になる。掛けてあった薄い夏用の布団がずり落ちて、彼の鍛えられた上半身がすっかり顕わになった。私は思わずゴクリと唾を飲み込んでしまった。でも、良かった。彼が、その……下を履いていて。