強引社長の甘い罠
そうして仕事に没頭しているうちに、いつの間にか午後五時を過ぎていた。
鈴木課長に言われたとおり、サロンのサイト案については、施術中の画像を掲載することを前提として大まかなデザインを考えた。女性が好みそうな落ち着いた淡いピンクと清潔な白をベースに作ろうと思っている。とりあえずトップページだけ簡単に何パターンか作ってみた。
立ち上がってデスクパネルの向こう側、鈴木課長のデスクを覗いてみたけれど、どうやら席を外しているらしい。フロアの入り口横に掛けてある、行き先を記すホワイトボードの課長の欄は空白になっているから、社内にはいるということだ。来客か、会議だろうか。写真をどうするかの返事は今日中にはもらえないかもしれないと思い、私はもう少しだけ作りこんでおくことにした。
再び椅子に腰を下ろしたところで内線が鳴った。
「はい、システム開発、七海です」
『唯?』
私の心臓がドクンと高鳴る。愛しい低い声が受話器越しに私を満たし、同時に落ち着かなくさせる。
「あ……」
『今日は何時に終わる?』
私は思わずキョロキョロと周りを見渡してしまった。別に悪いことをしているわけじゃないのに、仕事中にかかってきた恋人からの電話に焦ってしまう。
「多分、定時には帰れると思う」
鈴木課長に言われたとおり、サロンのサイト案については、施術中の画像を掲載することを前提として大まかなデザインを考えた。女性が好みそうな落ち着いた淡いピンクと清潔な白をベースに作ろうと思っている。とりあえずトップページだけ簡単に何パターンか作ってみた。
立ち上がってデスクパネルの向こう側、鈴木課長のデスクを覗いてみたけれど、どうやら席を外しているらしい。フロアの入り口横に掛けてある、行き先を記すホワイトボードの課長の欄は空白になっているから、社内にはいるということだ。来客か、会議だろうか。写真をどうするかの返事は今日中にはもらえないかもしれないと思い、私はもう少しだけ作りこんでおくことにした。
再び椅子に腰を下ろしたところで内線が鳴った。
「はい、システム開発、七海です」
『唯?』
私の心臓がドクンと高鳴る。愛しい低い声が受話器越しに私を満たし、同時に落ち着かなくさせる。
「あ……」
『今日は何時に終わる?』
私は思わずキョロキョロと周りを見渡してしまった。別に悪いことをしているわけじゃないのに、仕事中にかかってきた恋人からの電話に焦ってしまう。
「多分、定時には帰れると思う」