強引社長の甘い罠
エアコンの効いた車内も快適だったけれど、海を感じながら風に吹かれて走ることがこんなに気持ちいいとは思わなかった。私はますます歓声を上げた。
「これ最高!」
興奮して叫ぶと、祥吾もこちらを向いて全開の笑顔を見せる。
「よかった! 君も最高だ!」
それからはずっとオープンにしたまま海沿いを走り、私たちは二人ともはしゃいでいた。途中で昼食を取ったり、気に入った場所で車を停めて景色を眺めたりしていたので、祥吾が予約していた旅館についたときには既に夕方五時を少し回っていた。旅館は海に面した丘の中腹に建っていた。
朝、家を出たときは、楽しみの中に緊張も混じっていたけれど、今はそんなことはすっかり忘れてリラックスしている。祥吾の隣で私は何度も心から笑った。あっという間に昔の私に戻ったみたい。あるいは昔の二人に。
車が日本瓦の屋根の立派な門をくぐると、まもなく趣のある旅館のエントランス前に滑り込んだ。待機していた背の高い駐車係がにこやかな笑顔で出迎えてくれる。
祥吾が再びボタンを押すと、格納されていたルーフが出てきて開けたときと同じように数秒で車内は密室になった。私たちが車から降りると、嬉々とした表情で駐車係が運転席に乗り込んだ。ほんの数秒のドライブを楽しむつもりらしい。
「これ最高!」
興奮して叫ぶと、祥吾もこちらを向いて全開の笑顔を見せる。
「よかった! 君も最高だ!」
それからはずっとオープンにしたまま海沿いを走り、私たちは二人ともはしゃいでいた。途中で昼食を取ったり、気に入った場所で車を停めて景色を眺めたりしていたので、祥吾が予約していた旅館についたときには既に夕方五時を少し回っていた。旅館は海に面した丘の中腹に建っていた。
朝、家を出たときは、楽しみの中に緊張も混じっていたけれど、今はそんなことはすっかり忘れてリラックスしている。祥吾の隣で私は何度も心から笑った。あっという間に昔の私に戻ったみたい。あるいは昔の二人に。
車が日本瓦の屋根の立派な門をくぐると、まもなく趣のある旅館のエントランス前に滑り込んだ。待機していた背の高い駐車係がにこやかな笑顔で出迎えてくれる。
祥吾が再びボタンを押すと、格納されていたルーフが出てきて開けたときと同じように数秒で車内は密室になった。私たちが車から降りると、嬉々とした表情で駐車係が運転席に乗り込んだ。ほんの数秒のドライブを楽しむつもりらしい。