強引社長の甘い罠
そして案内されたのは離れだった。風情のある平屋は中に入るとヒノキの香りと真新しい畳の匂いが喧騒とした日常を忘れさせてくれるようだ。丘の上に建っているここは張り出したテラスに露天風呂がついている。
私はそれを見て何となく目を逸らしてしまった。離れに案内されたときから予想していたこととはいえ、部屋に露天風呂がついているのだ。何だか落ち着かないし、恥ずかしい。きっと今夜、私は祥吾と一緒にこのお風呂に入るだろう。
テラスを前にして立ち止まってしまった私の背後に祥吾が立った気配がした。少し屈んで私の顔を覗き込む。そしてクスリと笑った。彼の息が耳にかかるだけでゾクゾクしてしまう。
「急に大人しくなった」
祥吾と間近で見つめあう。頬が熱いからきっと私は赤面しているだろう。心臓だって途端に早鐘を打ち始めた。そして私がどうしてそうなっているのかを、彼は確実に分かっている。だけど祥吾はそれ以上私をからかったりはしなかった。
「おいで」
私のこめかみに軽くキスをした祥吾は、赤い顔で立ち尽くす私の右手をそっと握ると、そのまま私の手を引いてテラスに出た。彼の大きな手のあたたかさを感じて、ドキドキが止まらなくなる。祥吾への切ないほどの愛を実感して私の胸がギュッと締め付けられた。
私はそれを見て何となく目を逸らしてしまった。離れに案内されたときから予想していたこととはいえ、部屋に露天風呂がついているのだ。何だか落ち着かないし、恥ずかしい。きっと今夜、私は祥吾と一緒にこのお風呂に入るだろう。
テラスを前にして立ち止まってしまった私の背後に祥吾が立った気配がした。少し屈んで私の顔を覗き込む。そしてクスリと笑った。彼の息が耳にかかるだけでゾクゾクしてしまう。
「急に大人しくなった」
祥吾と間近で見つめあう。頬が熱いからきっと私は赤面しているだろう。心臓だって途端に早鐘を打ち始めた。そして私がどうしてそうなっているのかを、彼は確実に分かっている。だけど祥吾はそれ以上私をからかったりはしなかった。
「おいで」
私のこめかみに軽くキスをした祥吾は、赤い顔で立ち尽くす私の右手をそっと握ると、そのまま私の手を引いてテラスに出た。彼の大きな手のあたたかさを感じて、ドキドキが止まらなくなる。祥吾への切ないほどの愛を実感して私の胸がギュッと締め付けられた。