強引社長の甘い罠
 私を自分の膝に乗せ右腕で抱き寄せながら、左手でガシガシと髪を掻き上げている。どうやら本当に困惑しているみたい。

「だって、恥ずかしいのよ。祥吾みたいに完璧な体を持った人には分からないでしょうけれど」

 唇を尖らせ嫌味を交えて言うと、彼は心底呆れたといった顔をした。大きな溜息をつく。

「まだそんなことを言っているのか」

「まだって何が……」

「前にも言ったはずだ。君は変わらずキレイだと。あの言葉は嘘じゃない」

「祥吾……」

 彼の長い指が私のむき出しの肩をそっと撫でた。思わずビクリと体が震える。

「昔と何も変わっていない……白くて……滑らかで……」

 指で撫でていたそこに、祥吾はそっと唇を寄せた。少し強めに吸われ、軽い痛みを感じる。祥吾が唇を肌から離さなかったので彼が微笑んだのが分かった。

「……そして、とても甘い」

 それから顔を上げて真っ直ぐ私を見つめると、怖いくらい真剣な顔をした。
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