強引社長の甘い罠
「唯、君はとても魅力的だよ。そして世界で唯一の……俺の恋人だ。それを忘れるな」

「……祥吾」

「だから俺の前ではありのままを見せて欲しい。恥ずかしがる必要なんて、どこにもない……」

 彼の両手が私の頬を包む。私の顔を上向かせた彼の口に私の口は塞がれた。そのキスはとても熱く……そして激しく……。

 この部屋に入ったとき、見事な夕日をバックに交わしたそれとは違うキス。とても情熱的なキス。だけどそれは、再会して初めて祥吾のオフィスで交わされたキスとも、レストランで偶然出会ったときに怒りをぶつけるようにされたキスとも全然違う。激しい中にも彼の愛情がしっかりと感じられる、そんなキスだった。

 私は彼の想いに応えようと必死だ。時折唇を離しては間近で私を見つめる祥吾の青い瞳には、私への愛情と欲望が溢れている。私だって同じだ。ううん、それ以上。どうしても忘れることが出来なかった祥吾への激しい想いが、今にも爆発してコントロールができなくなりそう。もしかしたら、もうそうなっているのかもしれない。

 私のお尻の下では、彼も同じである証拠がしっかりと感じられる。祥吾の魅力的な青い瞳の色がいつもと違って見えた。彼も、もう我慢ができないのだ。

「……ここで」

 欲望をはらんだ掠れた声で彼が言った。
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