色恋 〜Colorful Loves〜
*
翌日。
私たちは二人とも昼前に起きて、食パンにジャムを塗って簡単な朝食を済ませてから、連れ立って外に出た。
二人で街を歩くのは、もう覚えていないくらい久しぶりだった。
目星をつけていたカフェに入って、窓側の席に座る。
「けっこういい感じの店だね」
「だな」
何気ない会話。
こういうのも、久しぶりだ。
メニューを開いて、隆也が唐突に、「あっ!」と叫び声を上げた。
「なに? どしたの?」
「クリームソーダがない!」
「えっ、うそ」
隆也が飲み物のページを開いて私に見せる。
確かに、コーヒーや紅茶と、あとはフルーツジュース系しかなかった。