頂上~テッペン~
またもやボールは放物線を描き、リングへと吸い込まれた。
『っしゃあ!!いいぞ山瀬えぇぇ!!!!』
副キャプテンが声を張り上げる。
キャプテンは、安堵感にあふれた笑顔をみせた。
攻守切り替えの為、ランニング程度のスピードでハーフラインへと戻る。
『大丈夫。』
6番の彼、山瀬先輩が私の目の前を通り小さな声で呟いた。
一瞬何のことかわからずにいたが、すぐに理解した。
あぁ、声、届いてたんだ。
そう思うと、急激に頬が熱をもった。
あつい。顔中があつい。
『切り替えてくぞ!!!気合い入れろ!!!』
相手、真柴中の4番が力強く叫ぶ。
その声で意識は、試合へと戻った。
『オフェンス!!ぜってー1本とるぞ!!!!』
この4番もまた上手い。
が、まだ及ばなかった。