レイアップ


敵のシュートを止める為、ブロックショットのタイミングを測ろうとした時だった。シュートモーションに入った敵が突如フープに背を向けた。まるで、初めからシュートを打つ気なんて無かったかのようなあっさりとしたシュートキャンセル。

(まさか、ここまでが・・・・)。

そう思った時には既に遅かった。

「HYE!」

3Pラインの外側には完全にノーマークになったケイトがパスを要求していた。

(やられた)。

そう思った時には、既にケイトの手からシュートが放たれていた。でたらめな速さのクイックモーション。当然、ボールはあっさりとフープへ吸い込まれる。
そのたった一回のシュートで、おれの闘争本能に火がついた(オモシロイ)。
相手もそれが分かったようで、おれのユニホームの番号を指差していった。

「13バン」

どうやらおれのマークはケイトに決まったらしい。
願ってもいない展開に、更におれのテンションは上がる。

「なあ、どっちが得点王になるか勝負しない?」


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